「美しいわ、あなた…ピンで留められた蝶よりも、何倍も美しい」深いエクスタシーの淵から帰って来た女(麻生真宮子)は、 血塗られたナイフに舌を這わせながら、そう呟いた。「鋭利な刃物でメッタ突きか、例の三件と同じ手口だ」刑事・梶井(武田有造)の目前で、鑑識のフラッシュが両手をベッドに縛り付けられ、無惨に切り裂かれた男の死体を浮かび上がらせていた。ラブホテル、六本木のショーパブ、聞き込みで一人の女の名が浮かぶ。芦原和美、26歳。不動産王・芦原の未亡人。「あんたが欲しい」男を快楽の虜にして、すべてを吸い尽くす女・和美。 彼女を尾行し、俳優・柴田(松山鷹志)との情事を覗き見た梶井は、やがて妖しい罠に魅せられていく…。