貧しい農家に生まれたお伝は、博打好きの父の借金のかたに博徒・勝蔵の所へやられるはめになった。お伝の手を引いて連れて行こうとする勝蔵の手をはたいたのが浅右衛門であった。浅右衛門はお伝を勝蔵の手からうばい、農家の離れで、荒しくのしかかった。今は用心棒という稼業にあまんじていて、そのすさんだ気持をこうして、女にぶつけるのだった。お伝は身を売らなければ生活が成り立たないような農家を逃げ出す決心をする。そのうち、勝蔵の賭場のテラ銭箱を盗んだ、市太郎と共にお伝は、逃げだすことに成功。逃げる途中、お伝は勝蔵を殺してしまい、その時、熱い激情がお伝の身体の中に湧いてくる。二人は、次に女郎屋を襲い、そこで松肋と知り合う。三人がそろって、盗んだ金をやま分けしている所に、尼僧の鈴月尼が飢えて、騒ぎ声を出す。過去に、お伝と尼寺で肉体をむさぼった相手であった。お伝と市太郎、松助と鈴月。四人組になったお伝達は、帝都銀行を襲撃し、先客としていた、反政府運動の輩がピストルを持っていることに気づき、あわてて引きあげ、駐在署から、ピストルを奪うことに成功する。そして、四人は、ピストルを持って、政府の現金輸送車を襲う。しかし、反対に政府軍に取り囲まれ、鈴月が射殺され、市太郎も重傷を負ってしまった。松助も、その後、刑事の執拗な追跡の前に、たおれ、お伝も捕われてしまった。そして、雪の降る処刑場へと連れ出され、お伝の前に現われたのは、首斬り役人となっていた浅右衛門であった。お伝は浅右衛門を見て観念。浅右衛門の渾身の胴太刃が一閃した時、お伝の血染の生首がゆっくりと雪の上にころがっていた。