俳優として活躍していた島耕二が、監督に転身して初めて制作した作品。原作は宮沢賢治の不朽の名作であり、その後も何度か映画化されているが、この作品が原作の雰囲気を最も良く映像化していると評された。 風の強い9月1日、都会から転校してきたという少年が突然教室に現れる。彼の名は高田三郎だったが、4年生の嘉助は彼を「風の又三郎」と呼んだ。転校翌日、三郎は佐太郎にきれいな鉛筆をあげた。また国語の本を読み上げ、みんなの関心を集めた。ある日、川原で相撲を取っていた三郎は、投げ飛ばされた上「悔しかったら風を吹かせてみろ」とからかわれる。三郎が雲行きを見ながら風の歌を口ずさむと、急に強い風が吹いてきて暴風雨となってしまった。