怪談鬼火の沼篠原甚左衛門(浜村純)に不正を追求されたお数寄屋坊主の宗伯(沢村宗十郎)だったが、甥の敬助(小林勝彦)が甚左衛門と若党を殺し、危ういところを助かる。それから1年、宗伯は金をせびる敬助を疎ましく思い、敬助は宗伯の財産を自分のものにしようと考えていた。遊び仲間の三郎太(若山富三郎)の入れ知恵で、妾のお蓮(近藤恵美子)と宗伯を事故死に見せかけて温室で殺そうとしたが、死んだのは侍女の八重(高野通子)だった。その夜、八重の兄と名乗る清蔵(丹羽又三郎)が妹の安否を訪ねてやってくる。三郎太が清蔵を斬って井戸に投げ込むが……井戸を調べると清蔵の死体がなく、おまけに彼が旅回りの役者とあっては物語の予測はつくのですが、悪党顔のワカトミが意外や意外というのがミソですね。全然怖くない怪談映画でした。