クリスマスに辛い思い出のある女の子・立野瑞希と、青年・藤岡順正との、ひと時の出会いとふれあいと別れを描いた短編。舞台は東京都武蔵野市(OVA版で初出)。1991年にOVA化された。監督は出崎哲。シンガーソングライター・岡崎律子が、初めてアニメの主題歌を自分の声で歌った作品である。主題歌(エンディングテーマ)『冬のないカレンダー』と、イメージソング『夜明けの青いソファー』は、1997年の岡崎律子のアルバム『Ritzberry Fields』にアレンジされて収録された。本作は、林原めぐみが岡崎律子と出逢うきっかけとなった。主役の立野瑞希役に決まっていた林原めぐみがスタジオで擦れ違った際に、「この人が主題歌を歌うんだな」と思った人物が岡崎律子である。林原めぐみはこの作品を通して岡崎律子を非常に気に入ったため、岡崎律子を大月俊倫に引き合わせており、以降数多くの楽曲提供を受けることになる。ラジオ『林原めぐみのTokyo Boogie Night』にて岡崎律子の死去が林原めぐみの口から初めて直接告知された際にも林原めぐみはこの作品を引き合いに出していた。同時に、林原めぐみが『新世紀エヴァンゲリオン』の「綾波レイ」役に抜擢されるきっかけになった作品でもある。当時の林原めぐみは元気で闊達な少女役を主に演じることが多かったが、エヴァンゲリオンの監督の庵野秀明は本作のOVAを観てクールな綾波レイ役に林原を抜擢したという。