和製プレスリーと騒がれるほどの人気歌手上野を育てあげたのは吉永プロのマネージャー衛子である。彼女はある日、職にあぶれていたバンドマンの健二を拾ってやった。健二はその帰り、陸橋にたたずんでいる光子という女に声をかけた。事情があって家に帰れないという光子を、健二は自分のアパートへ連れていった。翌日、健二は光子を連れ衛子の事務所を訪れた。光子の働く場所も頼んだ。衛子は健二を著名な楽団に推薦してくれた。来合わせていたミュージック・ホールのマネージャー丸岡は、光子にヌード・ダンサーとして舞台に立たないかと誘った。光子は引き受ける決心をした。--衛子は上野と関係をもっていた。しかし、上野はそんな生活にあきていた。彼は巴里座で訓練を受けている光子を誘い出した。それを見ていた衛子は、上野を引きとめておく力が自分にないのを感じ、丸岡と相談して上野と光子を結びつけようと考えた。丸岡が光子に、上野とつき合ってくれとクドいた。光子は健二に相談した。しかし、健二の言葉は無情だった。光子は上野との一夜が明けると、取引が済んだから帰ると言った。光子を愛していた上野は怒った。上野は怒りをぶちまけるようにステージで烈しく歌った。その彼を狙う銃口があった。光子が前にだまされた田島だった。彼は光子が上野の世話になっていると思ったのだ。健二がピストルを取上げた。彼はいま光子に上野と寝て来たと言われたのだ。ピストルが鳴った。--上野は軽い怪我をしただけだった。警察署の控室では、面会を許されるまでと光子が坐り続けていた。