まだ薄暗い早朝の海。人気のない砂浜。若い女が波打ち際をフラフラと歩き、やがて海に向かって歩いて行く。ウェットスーツ姿のミカヨが、魚突き用のヤスを手に海から上がってくる。腰に巻いたストリンガーには奇妙な形をした魚がぶらさがっている。人面のようなグロテスクな魚だ。その後砂浜で弁当を食べていたミカヨは、波打ち際で釣り竿を手にした中年男・吉井が歩いているのに気づく。吉井は彼女に気を止めず、砂浜の端の洞窟へと歩いてゆく。夜。ミカヨと夫・準一が寝室でセックスしている。夫婦は妊活中だった。翌日。町外れの巨大廃墟群。作業服姿の淳一、吉井、三沢やその他数名の作業員が、地雷探知機を手に歩き回っている。すると、準一の探知機から警報音が響いた。6年前。吉井が帰宅すると、妻・恵美子が浮気相手の男と一緒に風呂に入っていた。吉井が恵美子を問い詰めると、その静かなる剣幕に相手の男は恐怖に震えた。 だが恵美子は、2年前からの関係と言い、刑事のくせに女房の浮気にも気づけないから犯人逮捕ができないのだと薄笑いを浮かべた。住宅街の道を、裸のまま出ていく間男。全身に返り血を浴びた吉井が、包丁を手に風呂場から出てくると、自ら「妻を刺した」と110番通報した…。