ローカルテレビ局「Pテレ」で、バラエティ班のアシスタント・プロデューサーとして多忙な日々を送る吉澤未来(伊藤万理華)。彼女はいつかドラマ班に異動したいと、企画書を出し続けていた。ある日、編成部長に呼び出され、自身のドラマの企画が通ったことを告げられる。喜んだのもつかの間、部長は「この企画の主人公、障害者ってことにできへんか?」と未来に尋ねた。局をあげた「多様性月間」というキャンペーンの一貫として、登場人物に多様性を持たせたドラマが必要なのだと言う。戸惑う未来をよそに、「障害のある俳優を起用する」という条件で企画は進んでいく。当初は、エンターテイメントに振り切った学園ドラマを作りたいと思っていた未来だが、とにかく企画を成立させねばと、取材を進める。やがて彼女は車椅子に乗った女子高校生・宮島ハル(和合由依)と出会う。俳優を目指すハルに未来は不思議な魅力を感じ、「私たちのドラマに出てください」とオファーをするが、ハルは「障害を利用されるんは嫌や」と拒否。諦めきれない未来は、ハルが所属する劇団「S」の稽古場を訪ねるが……。