春馬草輔(江口洋介)は内偵調査を行う叩き上げの国税局査察官(マルサ)。一枚の偽領収書からレンタカー会社の20億円の脱税に取り掛かるが、たまりはすでにタックス・ヘイブンのヴァージン諸島に動かされていた。「カリブ海の手品師」の異名を持つ天才脱税コンサルタント・村雲修次(ARATA)によるスキームで、村雲はさらに余命半年の友人・川島とその妻・歌織(麻生久美子)を現地に送る。半年後、品田次長(奥田瑛二)や新谷統括官(益岡徹)の援護のもと春馬の調査はようやくヴァージンまで迫るが、直前に川島が病死し20億円のたまりは消滅。焦燥感の中、春馬は妻・雪恵(木村多江)の念願だった結婚18年目の海外旅行を取りやめる。二日後、テレビから飛行機墜落のニュースが流れる。それは夫に気遣って一人旅立った雪恵の乗る飛行機だった。生存者絶望のニュースが流れる中、娘の鈴子(水野絵梨奈)は春馬に「お母さんを殺したのは、お父さんだね」と言い放つ。一方ヴァージン諸島では、飛行機墜落のニュースを笑いながら見つめる村雲の姿があった。奇しくも墜落した飛行機は、村雲が人材派遣会社社長の檜山基一(斎藤工)のために仕組んだスキームで、事故によって村雲達は多額の違約金を手に入れることになったのだ。村雲の狙いはさらに、基一の父親にして6000億円もの資産を持つ檜山正道(中村嘉葎雄)の資産だった。村雲と行動を共にすることになった歌織は、村雲の狙いが単なる金だけでなく、大いなる復讐であることに気づく。一方妻の死の背後に何者かの巧妙なスキームを嗅ぎつけた春馬は、復讐のために次第に調査をエスカレートさせていく。春馬と村雲の、果てしなき追跡(チェイス)が始まる・・・。