家綱の時代、大老・酒井雅楽頭は甲府宰相・綱重を五代将軍に推すことで政道を我がものにしようと企んでいた。ところがこの企みを知り彼の命を狙う一味があった。雅楽頭は大目付・北条安房守に命じて一味の逮捕に乗り出した。訳も分からず一味である同僚を匿ったことから御書院番・神保平四郎は追跡を受け、新妻を殺されてしまう。追っ手から逃れ、山鹿素行の姪・みやの案内でとある御家人の家に落ち着いた平四郎の気持ちは、純粋に世直しを熱望する一味の心情に触れて次第に動いていく。そして裏切者の岡部を斬った時、平四郎は一味の中に完全に溶け込んでいた。一命をとりとめた岡部は首謀者が素行であると告げる。安房守は素行の屋敷を訪問し捕方を差し向けるが、素行は機転をきかせて逃げ延びる。そしてその翌日、素行の仕組んだ罠にはまった甲府宰相の行列に、平四郎たちが襲いかかった・・・。