囚人1,500人を収容し、「生地獄」と呼ばれた三池監獄。そこでは上方組と九州組が二大勢力として対立していた。上方組を取り仕切るのは大阪・高田一家の貸元・立花猪三郎。九州組は門司の萩原組の兄弟分・熊谷勇である。上方組に新しく入った文吉は、下関・瀬戸口組の二代目であるが、地元の埋立工事の縄張り争いで撃たれた父の敵と対立する梨岡組の親分を射殺して、収監されたのだった。梨岡組と縁を持つ九州組の熊谷が文吉に対決を迫るが、猪三郎の仲裁で成立せず、両組の対立は激化していく。猪三郎を慕う大阪の松風楼の女将・うたは、面会に行く途中で赤ん坊を連れ、高熱に喘ぐ北原きよを救う。きよの夫・与之助も囚人であり、死の床で与之助の名を呼びつづけるきよの姿に、うたは猪三郎へ北原の仮出獄に手を貸して欲しいと懇願する。だが当の北原は九州組の看守殺し事件に巻き込まれ懲罰房入りとなっていた。更なる生き地獄の苦しみに憔悴する北原を見て、猪三郎は脱獄を助けることを決意。発見を遅らせるために熊谷を挑発して激闘を繰り広げるが、努力もむなしく北原はきよの死に目に会えず、再び捕らえられて壮絶なリンチの末に殺され、猪三郎自身も懲罰房入りとなってしまう。だがその義侠心に惚れた熊谷が、今度は猪三郎を救出すべく九州組・上方組双方を巻き込んで、一計を企てる…。