百貨店課長の椿山和昭(船越英一郎)は、全店挙げての「大創業祭」の初日、接待中に倒れ意識を失う。目を覚ますとそこは、あの世のお役所。享年46、戒名は昭光道成居士と窓口で告げられるが、まるで夢を見ているよう。しかし、生前の悪行として「邪淫の罪」を下され、その戸惑いは怒りへと変貌する。お世辞にもモテるタイプではなく、愛妻の由紀(戸田菜穂)と一人息子の陽介(小清水一揮)のために、懸命に生きてきたと訴える椿山。だが、その脳裏に一瞬、佐伯知子(田中美佐子)の顔が浮かび上がる。知子は百貨店の同僚で、男女を超えた旧知の友。若い頃に過ちがなかったわけではないが、だからといって、それを邪淫扱いされては納得がいかない。椿山はえん罪を晴らすため、現世に戻る特例措置を申請。同じく特例措置を求めた、人違いで射殺されたヤクザの親分、武田勇(北大路欣也)と、事故死した小学生の根岸健太(平澤慧洸)とともに、現世への再送が認められる。期間は初七日が終わる3日後まで。生きている人間に正体を知られないこと、復讐をしないことの二つを約束し、3人は現世へと戻っていく…。次の瞬間、椿山はベッドの上で目を覚ます。やはり夢だったのかとほっと息をつく椿山。しかし、鏡に映る自分の姿を見てびっくり。そこには、若く美しい、見知らぬ女性が!再送された現世では、正体がばれないよう生前と最も対照的な姿でよみがえることになっているのだ。名前は、椿山和昭をもじって、和山椿(石原さとみ)。ヤクザの武田勇は、弁護士の竹之内勇一(北大路欣也・二役)として、根岸健太は根本蓮子(森迫永依)として、それぞれこの世によみがえっていた。竹之内のよみがえりの目的は、誰に間違われて撃たれたのか、それを命令したのは誰なのかを確かめること。その上で、子分たちに仇をとらせようという魂胆だ。一方の蓮子は、両親に会うためだと言う。そして椿は、邪淫の罪も気にはなるが、それよりも遺された家族のこと、そして大創業祭の経過を見届けることを最優先に考えていた。再会を果たした3人は、それぞれの思いを遂げるため、3日間だけのよみがえりの旅へと出発する。まったくの別人となって、近しかった人たちと奇妙な再会を重ねていく3人は、予想外の現実を目の当たりにしていくことに。初めて知る真実に、時に打ちひしがれ、時に慰められながら、最期の旅を続ける3人。その心境には、次第に変化が現れ始める…。