1995年、ロサンジェルスのベニスビーチにある"江戸寿司"で働く黒人看板シェフのブルースは、未だベトナム戦争の悪夢に苦しみながらも、Tシャツ・ショップを営む妻・ミツコと幸せに暮らしていた。ふたりの出会いはベトナム戦争中の横須賀。脱走兵のブルースを、反戦市民活動をしていたミツコが匿ったことに始まる。ある日、ブルースは江戸寿司の支配人・横山から店長になって欲しいと言われ大喜び。ところが、東京本社は横山の提案を却下。その決定に怒ったブルースは横山を殴り仕事を辞めると、自分の店を開くべく資金繰りに奔走を始める。だがその最中、ミツコに日本で暮らす別れた夫と息子が交通事故で半年前に死んだという訃報が届くのだった。哀しみと数々の困難を乗り越え、漸く"Mr.Pのダンシングスシバー"を開店させたブルースとミツコ。店はふたりの予想以上に繁盛するが、その一方で忙しくなったふたりの間には次第に溝が出来始め、やがてふたりの関係は離婚という結末を迎えてしまう。それから数カ月後、ブルースは人生の再起を賭けてホーチミンへ旅立った。ベトナムへ行けば、自分の心に巣くう傷が癒えるかもしれないと思ったからだ。そんな彼を心配して、ミツコもベトナムへ飛んだ。再会したふたりは愛を蘇らせ、ブルースの心の傷も癒える。水田が広がる村、そこでミツコは店の名前の由来を初めて聞かされる。Mr.Pとは、平和ピースのPであったのだと。だがそれを語った後、ブルースは水田の中に倒れてしまうのだった。