毎朝新聞の深川支局に配属された主人公・川中啓三は、趣味の食道楽を生かして、文豪たちと食を結びつける企画を提案する。それは、太宰治や永井荷風らが書き残した食の数々を通して、彼らの生活や本質など知られざる一面を描く文豪探訪記であった。果たして、近代文学を代表する文豪たちはどんな思いで食を描いたのか・・・なぜ永井荷風は老いをむかえてもなお、執拗にあぶらっこいものを食べ続けたのか?心中を図った太宰治はなぜ笑顔だったのか?その謎のヒントは国分寺のウナギ屋さんにあった!?彼らが愛した食をキーワードに、その謎を解明する。