1960年代後半、「政治の季節」と呼ばれた時代を象徴する「東大紛争」。今回、NHKは昭和史に残るこの大事件にまつわる第一級の資料を独自に入手した。45年前の安田講堂陥落の直後、当時の大学執行部が紛争の顛末を極秘裏に語り合った座談会の600頁におよぶ議事録である。東大紛争に関してはこれまで学生側の証言や資料は多く刊行されてきたが、紛争の収束に向けて大学側は何を考え、どう行動したかについては全くわかっていなかった。発見された資料からは、大学側が学生だけでなく、機動隊導入や入試実施の是非をめぐって国とも激しく対峙し、そして「敗北」していったことが初めて明らかになってきた。その後の日本の大学のあり方を決定づけたとも言われる「東大紛争」。これは、戦後史の空白を埋めるスクープドキュメントである。