大学付属病院の整形外科病棟に勤務するナースの五十嵐梢は看護婦歴六年の二七歳で、婦長や主任に次いで古い、リーダー的な存在であったが、最近仕事も事務的になりがちで意欲を失っていた。そこへトレーニング中の事故で大腿骨折したサッカー選手の柴田雄一が運ばれてきた。腫瘍が発見された彼を受け持つことになった二四歳、三年目のナース山崎夏美のあまりにも教科書的な看護計画に雄一は拒否反応を示すが、梢の、キャリアを積んだナースならではの人間的な接し方に心を許す。だが、新人ドクターの田口誠人が梢にプロポーズしたことを知った雄一は再び心を閉ざし、梢も自信を失う。ある日、医局長の大岩教授が率いるサッカーの試合が行われた。梢の必死の説得に遂に雄一は立ち上がり、ゴールに向かって懸命にボールを蹴っていく――。クリスマス・イブの日、暗い病棟の廊下には、手に手にキャンドルを持ち本当の天使さながら、それぞれのプレゼントを持って患者たち一人一人をまわるナースたちの姿が続くのだった。...